「家政婦は見た」ごっこ

帰宅の通勤電車の中の出来事です。


運良く乗車駅よりシートに座れました。腰掛けて早々に、わたくしの目の前に中年の男女が立ちました。女子は50代前半。背は高くお腹が全く出ておらず、何かスポーツとかダンスとかしていそうな出で立ち。男子は50代半ばか後半。会話からジムに通っていると判明しましたが、そうは見えない。そしてPapasとか洒落たブランドを好んでいるようですが、背広姿からはお洒落さ加減は垣間見えません。


何となく不自然な二人。わたくしの妄想フル回転フル稼働。


二人は微妙な距離感を保ってます。くっつくわけでもなく、離れるわけでもなく。ても一部か触れてる感じ。分かるかな?


会話の語尾も不思議。「同僚」ほど馴れ馴れしくもなく、「上司と部下」ほどのよそよそしさも感じさせず、早くもわたくしのアンテナは「不倫」と察知しました。


十中八九当たりです。


帰宅車中は妄想でいっぱいでした。


何でも、先日、女子は激しい運動をした後、ハイボールの様な炭酸系のアルコールをいただいて、粗相があったようで、いたく後悔しておりました。そして男子が「ああいう時は炭酸系はだめだね」なんて、なだめるわけでもなく軽く駄目だし。男子が「覚えてる?」と、女子は「全部覚えてる」ときっぱり言いのけ、つまみを列挙し始めました。全部覚えているわりに、三品しか聞こえてきませんでした。それとも三品しか頼まなかったのか。三品の内、二品はニンニクの丸揚げとニンニクの何とかでした。どうでもいいか。


お二人の話題は変わって男子のご自宅の話を、女子が訊いていておりました。男子は娘がどうのとおっしゃっておりました。
「やはり夫婦ではないのだな。」
…と、ふと視線を上げたら、いつの間にか二人は手をつないでおりました。ビンゴ!


あっという間の35分でした。ありがとう。